読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

映画「スポットライト」感想

週末に、オンデマンドで「スポットライト」を見ました。今年のアカデミー作品賞を取った映画です。

 

spotlight-scoop.com

あまり事前の情報を知らず、友人が観たがっていたことが印象に残っていてなんとなく観ることにしました。

あらすじ

2001年の夏、ボストン・グローブ紙に新しい編集局長のマーティ・バロンが着任する。マイアミからやってきたアウトサイダーのバロンは、地元出身の誰もがタブー視するカトリック教会の権威にひるまず、ある神父による性的虐待事件を詳しく掘り下げる方針を打ち出す。

 

最初はあまりに絵が地味なので、このままこれで?これでアカデミー賞ってすごくない?と感じるほど地味だったのですが、つまりそれだけ脚本がよくできていて、要所要所のセリフで、あぁ、すごい、すごいな!と肯くことしきりでした。

冒頭で、日本語字幕では「牧師がいたずらをした」というように(正確には不確かです)セリフからはじまります。

Father was helping out.

Helping out?

なのですが、つまり、ん?え?なんだって?ていうつかみになっているんですね。

こういう繊細なセリフのニュアンスがあって、被害にあった男性たちの心情を丁寧にわかりやすく、観る側に伝えて来ます。

陰謀ものの映画をよく観るせいか、なかなか公開できないスクープに「こいつはこう見えて裏切り者なのでは?」「実は巨大な罠なのでは?」と疑ってしまっていたのですけれど、全然そんなことはなく、登場人物たちが自分の出来ることを懸命にやっているんですね。このへん、「シン・ゴジラ」みたいだなと思いました(なんでも「シン・ゴジラ」につなげる脳)

 

なによりすごいと感じたのは、「めちゃめちゃ悪い神父」や「理不尽に妨害をしてくる悪い牧師」が出てこないことです。出てこないのに、闇は深く、もたらした被害は大きく、私達の胸にのしかかってきます。これが脚本の力というものか、と舌を巻きました。

俳優たちの抑えた中にも底力の演技力があってこそというもので、このようなむずかしい題材を静かに落ち着いて伝える、報道の力と同時に映画の力を感じました。公開時に劇場で見れば良かったな・・・。